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【新宿店】60㎝水槽・流木を使った水草レイアウトを作るコツ(植栽編)

【新宿店】60㎝水槽・流木を使った水草レイアウトを作るコツ(植栽編)

皆さん、こんにちは!
新宿店水草担当 黒澤です。

前回に引き続き、店頭のレイアウト水槽リセットについてご紹介です。

今回は植栽についてです。

構図の組み方については↓の前回の記事をご覧ください♪

【新宿店】60㎝水槽・流木を使った水草レイアウトを作るコツ(構図編)

それでは植栽ですが、
植える前に使用する水草の下処理を行います。

今回使用する水草の大半が組織培養水草です。
組織培養とは簡単に言うと無菌化に特化して栽培された水草です。
その為、

・農薬を使用していない為、生体への影響が無害
・植え込み作業が2ステップで完了する
・コケやスネール(害虫)の混入が無い

といった利点があります。

コケ取りの要であるエビたちに農薬は大敵ですし、
知らないうちにスネールが殖えて景観を壊されては観察するたびにため息が出てしまいます。
そしてレイアウトを作る際に下処理に時間と労力をとられては
肝心の植栽で集中力が切れてしまいかねません。

これらの理由から、私は組織培養水草があるものに関しては
積極的に使うようにしています。

そんな組織培養水草の使い方ステップ1
水草を取り出し、流水で寒天培地を流す。


寒天培地とは、上の写真ですと水草の根元に付いているグレーのゼリー状の塊です。
これはカップの中で水草を維持しておくために栄養等々、科学技術が詰まっている部分でございます。

水草の種類により寒天培地も違っている為、色や硬さが違いますが
水草の根元に付いているゼリー状の部分を流し落とす
と考えて頂ければ大丈夫です!

ゆるい流水にさらしながら、指で軽くほぐすと簡単に培地を落とすことが出来ます。

この程度まで落ちていれば問題ありません。

そしての組織培養水草の使い方ステップ2
培地を落とした水草を植えるだけ!です。

いやはや、本当に手間が省けてありがたいです。

上の写真でご覧頂いてお分かりになりました通り、
培地を洗い流す過程で水草の株も植えやすい程度にほぐれていきます。

だいたいピンセットで摘まめる程度にほぐれていれば
そのまま植えてしまって問題ありません。

それらをソイル部分に植えると
このようになります。

組織培養のショートヘアーグラスは砂がほとんど無い、
石の隙間にはめ込むように植栽してあります。

砂地部分には自然感の演出の為、コブラグラスを植えてあります。

流木の隙間部分には
南米ウィローモスとニューラージパールグラスを
これまた挟み込んでいます。

奥へと続く小道はPIXYSANDを敷き直してあります。
両サイドの水草が茂れば、より小道が強調されて遠近感が出ることでしょう。

ここからは植栽のコツもありますが
私の個人的こだわりのご紹介なので、
そういう考え方もあるんだなというくらいに
読んでみて下さい。

このレイアウトでは、右側の流木が一番手前側に見えている設定で作ってあるので
その付近に植えた水草は大き目の葉のものが多くなっています。
(コブラグラス、大葉のブセファランドラ、ポタモゲトンガイー、クリプトコリネペッチー)
右側手前の前景はコブラグラスにしましたが、エキノドルステネルスでもいいと思います。
しかし今回は右側の流木の上、枝状の部分には水草が茂って前景草の部分は影になると予想したので、
影で育ち、葉幅も大ぶりで遠近感が分かりやすく、成長がゆっくりでトリミングの手間が少ないコブラグラスを選択しています。
その他、ここで使った水草の葉の色は濃い目なので、後ろに続くにつれて明るい水草を使用することにより
さらに遠近感を意識した植栽が可能なようになっています。

その次に左側の石と流木が手前寄りの設定なので、
先程、1番手前に植えた水草の大きさを基準に、一回り小さい種類の水草をチョイスしました。
コブラグラスに対して一回り小さいショートヘアーグラス、
大葉のブセファランドラに対して一回り小さい小型ブセファランドラ、
クリプトやガイーに対して一回り小さいベトナムゴマノハグサ、
というようになっています。

そして次が右側の奥です。
手前から、グリーンロタラ、ロタラsp.ベトナム、パールグラスとなっています。
赤系水草に視点が行きやすいことから、1番注目して欲しいレイアウトの収束点である
「小道の先」を見てもらえるよう、そのそばにロタラsp.ベトナムが植えてあります。
また、グリーンロタラの後ろは、それよりも葉の小さいパールグラスにしてある事で
遠近感を損なわないようにしています。

最後に左奥です。
先程のベトナムゴマノハグサから順に
グラティオラヴィスキデューラ、パールグラス、ロタラナンセアン、ガイアナドワーフミリオフィラム、インディアンクラススラとなっております。
右奥にもパールグラスを使っておりますが、これは
右側の山より、左側の山の方が遠くに見せなければならない為、
あえて同じ水草を両側に使う事により
左側と右側のパールグラスの距離感を同じに見せ、それよりも先に続く3種の水草の遠近感を強調させるようになっております。

また、小道に接している側の水草に成長の早いものを使用してしまうと
その成長があだとなり、小道が隠れて見えなくなってしまいかねません。
その為、小道側にはグラティオラやクラススラを使用しています。

そしておまけです。
最も右側奥の部分には、本来前景草で使われるニューラージパールグラスを植えています。
これは写真などで見たときに右側のガラス面に水槽内が反射することにより
水槽の外側まで水景が続いているように見せる為です。

この写真の右側、流木の隙間から見える部分です。
まだ植えたばかりなのでわかりづらいかもしれませんが、
鏡面効果で本来の水槽サイズよりも遠くへ芝生が続いているように見えますでしょうか。
今後、トリミングをして整えていきますので、
より分かりやすくなると思いますので、
ぜひお楽しみにお待ちください。

植栽直後は写真ではお伝えし辛い部分がありますので、
気になったことがございましたら
ぜひぜひお店までいらっしゃっていただけますと嬉しいです。

それでは、文章が長くなってしまいましたが
最後までご覧いただきましてありがとうございます。

皆様のご来店を心よりお待ちしております♪

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