新宿

【新宿店】当店のこだわり pH編 前編

みなさん、こんにちは
生体担当の本田です
当店のこだわり pH編解説させていただきます
毎週、当店のお魚の水槽で計測しているpHですが、なぜ計っているのか?計るとなぜいいのかについて解説していきます
~そもそもpHとは?~

一言でいうならば、どれだけ水中に水素イオンが溶けているか、どれだけ酸性かアルカリ性かという指標となります
pHは1~14の数値で表され、7が中性でそれ以上数値が上がるとアルカリ性、下がると酸性になります
また、pHが下がれば下がるほど水素イオン濃度が高く、上がれば上がるほど濃度は低くなります
pHの値が1少なくなるだけで水素イオン濃度が10倍になります
ちなみにpHはpotential(潜在的な)、 H(水素の元素記号)の略になっています
~なぜ当店ではpHを測っているのか~

①適切なpHになっているかの検査
②水換え等のタイミング
この二点が重要な目的となります
①適切なpHになっているかの検査
どのお魚の飼育でも、「pHのどの値」というのも大切ですが、「ある程度決まった値で安定しているか」の方が重要になっています
しかし、水槽の水のpHは様々な要因で値の上下を繰り返しています
例を挙げると
・硝酸塩の蓄積によるpH降下
・ろ過細菌による分解
・ろ過不足
・新宿店の水道水のpHは約7.8の為、足し水や水換えの際のpH上昇
・水草の浄化能力によるpH上昇(硝酸塩の減少)
・水換えの際の降下剤の投入
・CO2の添加

などなど…
pHの値が一日の中で絶えず上下してしまうような環境ですと、生体にストレスがかかり、怯えや食欲不振、病気、衰弱等の症状が起き、最悪死に至る場合があります。
特に、pH調整効果のあるソイルや安定剤等を使用していない立ち上げて間もない水槽では不安定な為、お魚がいる場合はこまめなpHの測定をお勧めします。
当店で取り扱っているお魚やエビは一部例外を除いてほとんどがpH5~6台の弱酸性を好んでいる為、この値で維持できるとより生体にとって低ストレスな環境を作り出すことが出来ます。

上記の中でも特に重要になってくる項目が
・硝酸塩の蓄積
・ろ過細菌による分解

どちらの項目もカギとなるのが「ろ過細菌」と「活性汚泥」になります
詳しくは下記の記事もご覧ください

【マメ知識】水草水槽の微生物 その①

簡単に説明すると…
アンモニア→亜硝酸→硝酸塩
へ分解が進むと過程において水素イオンが発生しpHが下がる
活性汚泥には、水質を安定させる効果や、ろ過細菌の様なアクアリウムをする上で有益な細菌がいるだけではなくエロモナス菌やカラムナリス菌等魚の病気の原因になるようなものも含まれているので汚泥抜きをしてある程度の量で調節する必要がある
という事です。

逆にどうしてもpHが下がらず上がったままという場合は
・ろ過細菌が安定していない
・フィルターの能力不足
・砂利の洗い不足か上昇させる効果のある砂利を使用している
等が考えられます
②水換え等のタイミング
水槽の水換えのタイミングとして一般的には週に一回1/3~1/2の量の換水を推奨していますが、pH測定を活用すると適切なタイミングを計る目安の一つとなってくれます
前の項目でご説明した弱酸性の環境において、過剰な硝酸塩の蓄積によるpHの低下の現象が起こってしまっている場合は注意が必要です。
硝酸塩は魚のフンや食べ残し等の有機物が、ろ過細菌による分解の働きで最終的に行きつく物質です。
通常は、水換えや水草の吸収などにより程よいバランスが保たれていますが、そのバランスが崩れてしまうと上記のようにpHの低下が引き起こされてしまいます。
硝酸塩の過剰な蓄積をしてしまうと…

・魚の成長阻害
・魚の免疫阻害による病気の発生
・コケ全般の発生

等の原因の1つになってしまいます。
まとめると
定期的に計測して頂けると水槽内のpHの変化が分かり、水換えや汚泥抜きを効率的に行うことが出来る
・既にお魚を飼育している水槽の場合
pHの定期的な測定で5.0~7.0未満程度に収まっていてpHの降下が続くなら水替え
過剰な降下や上下が繰り返されるのであれば汚泥抜き
・新しく水槽を立ち上げた場合
pHが不安定ならバクテリア剤を入れたり、パイロットフィッシュや入れる予定のお魚を少量投入してある程度安定してから本格的にお魚を投入する
というようになるかと思います。

後編では、pHの計り方や計れる商品、今回の応用などを解説させて頂きます。

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