マメ知識

【マメ知識】CO2の最適な添加方法

【マメ知識】CO2の最適な添加方法

みなさんこんにちは!
アクアフォレストメンテナンス事業部の轟です!

前回はCO2の適正量についてお話しさせて頂きましたので、今回はCO2の添加方法についてお話させて頂きます!
前回のブログはこちら↓

【マメ知識】CO2の適正量を知る

まずはCO2ってどんなものだ!というところからお話しさせて頂きますね。

CO2は炭素の酸化物(そのまんまですね)で地球上にたくさん存在しています。
水に溶けたものがいわゆる炭酸水ですね。コーラとかジンジャエールでお馴染みですね。
その他にもビールサーバー、バブ等の入浴剤、ドライアイス、医療用の炭酸ガスレーザーなど色々な業界で使われています。
高圧ガス保安法で液化炭酸ガスのボンベは緑色と定められていて、ビールサーバー用も病院にあるボンベも同じ色をしています。
その見た目から水草水槽で使われるCO2大型ボンベを「みどボン」と呼ぶようになりました。
ちなみに大型ボンベを店舗で取り扱うには「高圧ガス販売主任者」を店舗ごとに置かなければならないと高圧ガス保安法で定められています。
アクアフォレスト新宿店では私がこの資格を取っておりますよ!

アクアリウムの世界では、ご存じの通り水草の光合成を促すために使われています。
高圧ボンベを使用しての添加が一般的で、消化器の消火剤をリサイクルする際にでるCO2を封入した小型ボンベタイプが広く流通しています。
水にとても溶けやすく、その性質から配管内に残ったCO2が水を強く吸引するので、エアー配管以上に逆流防止弁が大切になります。
2ヶ所くらい付けておくと安心ですよ!(逆止弁は結構イカれます。)
水に溶けると弱酸性になり、雨(天然のRO水みたいなもの)は降ってくるうちに大気中のCO2が溶けて大体pH6.0くらいになっていることが多いです。
水槽に添加すると、光合成を促すことの他に水草の好む水質である弱酸性にし遊離炭酸の割合を増やすという意味もありますのでより一層水草が育ちやすくなります。

ざっくりとCO2について説明したところで、本題である添加方法についてご説明いたします。
水槽内にCO2を添加する方法は大きく分けると3種類あります。

①直接水槽内に添加する
②フィルター配管内に添加する(直添)
③CO2ミキサーを使う

この3種類です。
こっちの方が水草が良く育つよ!この方法がベストだ!というものではありません。
どの添加方法を選んでも、間違った使用をしない限りは水草を問題無く育成することが出来ます。
なので飼育スタイルにあったもの&美観が気に入ったものをチョイスすれば全然OKです。

どの添加方法にも共通して言えることですが、添加した泡が水中を漂う時間を長くしたほうが溶解効率が良くなります。
フィルターの流れに乗せたり、拡散器をなるべく水槽の下の方に設置する等の工夫をするとより効果的です。
同じ1秒/1滴を添加するのでも溶解効率によって効果が大きく変わりますので注意が必要ですよ!
ガス代も馬鹿になりませんから、なるべく効率良く添加して省エネを目指しましょう。

前回のブログでも書いた通り、~秒/~滴という表記はADAのCO2グッズを使用している前提であることが多いので、実際に適量を添加出来ているかは水質を検査してみないと分かりません。CO2が適量かどうかは水草の調子に直結しますので、一度は検査をして今の水槽の適量を掴んでおくとよいですよ!
特にカウンターの泡の大きさは各メーカーでまちまちなので、同じ1秒/1滴で差があります。

じゃあ、あのガラスのカウンターが無きゃダメかい。。。

いえいえそんなことはありません。
ADAのカウンターが無い場合でも目安に出来るものがあります。
それは、、、、
チューブから出る泡の量を計測する方法です。

お持ちの拡散器を外して、露出したチューブを水槽につっこんでみましょう。
大きな泡が1つずつボコボコと出ているはずです。
この時、出ているCO2量は

1秒/1滴チューブから直接出る量≒グラスカウンター計測で1秒/3滴
なのです。大体ですが。。。

ということは、

3秒/1滴チューブから直接出る量≒グラスカウンター計測で1秒/1滴
ということなんです。大体ですが。。。

この方法を使えばCO2の量をアクアジャーナルやアクアライフ等に記載されている添加量と同じように出来ます(ざっくりとですが)
ただし泡のとても細かい拡散器(ウチのミストストーン等)は高い圧力を必要とするので、チューブを外した状態(=抵抗が無い状態)で3秒/1滴チューブに調整したとしても、拡散器を付ける(=抵抗が大きい状態)状態だともっと少ない量に実際の添加量はなってしまうので微調整が必要です。
やはり実際に適量を添加出来ているかは水質を検査してみないと分かりませんので、しつこいようですが前回のブログを参考にCO2を適量添加するように調整して頂くと水草を元気よく育てられるようになると思います!(少なくともCO2由来の問題は解決できます)

以下、各添加方法のメリットとデメリットを書きますので、添加方法を選ぶ際の参考にしてみてください!

直接水槽内に添加する

拡散器を水槽内に設置する最も一般的な方法ですね。可も無く不可も無くとっつきやすいです。
CO2添加キットに付いている添加器具はたいていこの方式ですね。
まずはこの方式でCO2添加に慣れてから、水槽にあった添加方式に移ると良いと思います。
私がメンテナンスしている水槽はこの方式が一番多いですね。理由はやはりメンテナンス性の高さでしょうか。
付け外しが簡単なので、なるべく深い位置に設置したり、フィルターからの水流に泡を乗せる等の工夫がしやすいです。
拡散器の大きさを変えることで、様々な添加量に対応できます。
拡散器からは泡がまっすぐ立ち上るようにでるので、泡が舞って白く濁って見えることもありません。

メリット
・付け外しが簡単なのでメンテナンスが楽
・見た目の良い器具を楽しめる(浪漫)
・添加量が確認しやすい
・さまざまな拡散器を選択できる
デメリット
・水槽内が煩雑になる
・目に付くのでメンテナンスを頻繁にしないと美観↓
・設置場所、水流によっては添加効率が悪い
・拡散器に光が当たるのでコケで詰まりやすい

フィルター配管内に添加する(直添)

水流の圧力を利用してCO2を添加する方式です。
水槽内に器材が入らないことが最大のメリット。
配管の長さや水流の強さにもよりますが、添加効率自体は↑の方法と大して変わりませんので注意!
あんまりこのあたりは期待しないほうが良いですよ!
泡が直接水流に乗って水槽内に入ってくるため、添加量の多い水槽では泡が舞って白く濁って見えることもあります(←主観ですが嫌いです)
どのくらいの量からと言うと、エーハイム2217程度の水流(13ℓ/1分程度)で1秒/3滴程度入れるくらいからかなーって感じです。
水量、配管の長さ、拡散器の泡の細かさ等の関係から、効率良く添加できる量に限界があるので、だいたい1秒/2滴程度の添加量までが限界(効率良く添加できる)と思って頂くと良いです。
このあたりはフィルターや拡散器の能力次第なので前回のブログを参考にCO2の適正量がちゃんと添加されているか確認すると良いですよ!
工夫しないと大容量添加に対応できないので直添式は60㎝以下の水槽に向いています。

メリット
・水槽内に器材が入らないので美観↑
・拡散器に光が当たらないのであまり詰まらない
・小型水槽と親和性がある
デメリット
・大容量添加に向かない
・拡散器の清掃が大掛かりになる
・CO2の泡が白く舞って濁ったように見えることがある

CO2ミキサーを使う

今では市販品は手に入らなくなりましたが、最も添加効率の良い方法です。
オークション等で中古品を探すしかないのが欠点。
↑はジャレコのCO2ミキサーという商品です。ミキサー界では一番有名?な商品でした。
ほぼ100%溶解するので、CO2ロスは基本的にありません。
溶解効率の良さから、思った以上にCO2濃度が高くなるので、CO2中毒に注意が必要です。
外部式フィルター等に接続して使用します(サブフィルターを付けるイメージです)
直添同様、水槽内に器材が入らないので美観が良いです。
設置スペースが必要(外部式フィルターをもう一台設置するイメージ)なため、60㎝以上の水槽に向いています。
モーターが水槽内にあるタイプの外部式フィルターは基本的にパワーが弱いので、ミキサーをつけると上手く動作しないことがあるので注意です。
水槽内に入れて使うタイプのミキサーもありますが、器具本体が大きく美観が悪いので小型水槽主体の日本ではあまり流通しませんでした。
海外では主流なのかな?興味のある方は「デュプラ CO2ミキサー」で検索してみてください。
ちなみに私はミキサー派なので、エーハイムのサブフィルター2213を利用して自作して使っています。
DIY派の方は工夫して作ってみるのも一興だと思います(自己責任でね!)
↓は自作したミキサーの加工途中の画像です。
また機会がありましたら、こちらの作り方をご紹介させて頂きます。
メリット
・水槽内に器材が入らないので美観↑
・CO2ロスが極めて少ない
・大型水槽と親和性がある
デメリット
・溶解効率が良すぎてCO2中毒になることがある
・広い設置スペースが必要
・小型水槽に不向き

ざっとこんな感じです。
まとめると選ぶポイントは。。。
・器材が水槽内に入るのか
-入る 水槽内に直接添加する
-入らない 直添、ミキサー

・メンテナンス性はどうか
-良い 水槽内に直接添加する
-大変 直添、ミキサー

・溶解効率はどうか
ミキサー>>>>>直添>(≒)水槽内に直接添加

この3点を中心にご検討頂くとよいと思います。
↑でも書きましたが、どの方法でも問題無く水草は育てられますので、普段のメンテナンスや美観、配管にかける浪漫などを勘案してお好みの方法を選んでください!

ご不明な点や、疑問点などございましたらお気軽にお問合せください。
皆さまが楽しいアクアライフをおくれますよう祈っております!

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ご相談、お見積りは無料です。

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