マメ知識

【マメ知識】水草水槽の成り立ち

【マメ知識】水草水槽の成り立ち

みなさんこんにちは!
アクアフォレストメンテナンス事業部の轟です!

久しぶりの更新となりましたアクアフォレスト「マメ知識」コーナーですが、そもそも水草水槽がどのような構成要素で出来ているかのお話をしていませんでしたね。
そこで今回は「水草水槽ってこんな感じに捉えるんだよー」という全体像を皆様にイメージしていただくお話をしようと思います!

全体のイメージを掴んで頂くと、各要素の関係性や優先順位等が分かるかと思います。
この記事を読んで頂いてから各要素の詳しい記事を読んで頂くとより分かりやすいと思いますよー!
それでは書いていきますね。

必須要素
・光
・温度
・CO2
・水質
・肥料

 

水草水槽はこの5つの要素がお互いに影響し合い絶妙なバランスの元に成り立っています。
5つの要素の内、どれか1つでも欠けると美しい水草水槽は成り立ちません。
>例
・CO2セットは買ったけど、ライトはまだ無い
・4つの要素は完璧だけど、コケが怖いから肥料は入れていない

また、極端に強い要素があってもコケの大量発生につながる等の問題が起きるので注意が必要です。
>例
・CO2セットは無いけど、すごく明るいライトを使っている
・肥料だけはしっかり与えている

多すぎず、少なすぎず、全体としてバランスをとることが重要です。
美しい水草水槽とは、「各要素のバランスが整っている水槽」という事です!

それでは「バランスをとる」という事は具体的にどのようにすれば良いのでしょうか??
まずは「光」「CO2」「肥料」この3点を使ってご説明しようと思います!
↓のグラフを見てみましょう。

これはとある水槽の要素を数値化したものです。
こちらの水槽の各要素を仮に「光」100点、「CO2」80点、「肥料」50点としましょう。
この場合、水槽のコンディションレベルは50点になります。
水草の成長はもっとも少ない要素に左右されてしまうのです!
※これを「リービッヒの最小律」と言います!
詳しくはこちらの記事を読むか検索を!

せっかく明るいライトを揃えても、CO2を添加していても肥料がそれに見合う量がなければ活かせないのです!
このような水槽では「光」が50点、「CO2」が30点も余ってしまうためコケに悩まされるでしょう。

↓のグラフも見てみましょう。

この水槽は「光」40点、「CO2」30点、「肥料」35点です。
なのでこの水槽のコンディションレベルは30点です。
↑の水槽よりも20点低いですね。
しかし「光」10点、「肥料」5点しか余らないのでコケの発生にあまり悩む事無くキープできるでしょう。

何をお伝えしたいかというと

・高スペックの器材を使ってもバランスが悪いとダメ
・低スペックでもバランスを取れれば綺麗にキープ出来る

という事です!
※注意!
いくらバランスが良くてもCO2添加が必要な水草を無添加で育てられるようになる訳ではありません。
コンディションレベルが30点なら、30点でも育つ水草じゃないとダメよ
しかしコケの発生量は大きく変わります!


「コケ」

こいつが水草水槽の最大の敵ではないでしょうか?
コケがたくさんあってもお魚の調子が悪くなる訳ではありませんが、毎日見たくありませんよね。そんな水槽。
バランスを意識することでコケの発生量を抑えることが出来ます!

それでは具体的にバランスをとる方法とはどうゆう事なのか考えていきましょう!
↑の高スペック水槽を例にすると大きく分けて2つの方向性があります。

1
「光」「CO2」を減らし「肥料」50点に近づける
現在、コケの発生に悩んでいるならこの方法でしょうか。
一時的に全体を低スペックにすることによってコケの発生量を抑えて減らしていく方法です。
消極的な方法なので、望みの水草の状態にはならないかもです(真っ赤、大きな茂み、緑の葉色等)
なのでコケが減ったら2の方法を試して100点を目指しましょう!

2
「CO2」「肥料」を増やし100点に近づける
理想的な方法です。
コケが発生している場合は肥料を増やすと逆効果になることもあるので注意が必要です。
しかし水草が本調子になることによって逆にコケが少なくなることも十分あります。
コツはコケが発生する前にこの状態を作ることですね。
そうすれば水草の水質浄化能力を活かすことが出来るのでコケの生えづらい環境をキープ出来ますよ。

このように「暗くする」「CO2添加量を減らす」という事も場合によっては大切なことなんですね。
ただし、足りない要素を感じ取って高いレベルでバランスを取らないと本当に美しい水草水槽は出来ないということに注意してください!!
ついつい高価なライトやCO2キットを使うとそれだけで美しい水草水槽が出来ると思いがちですが、本当に重要なのは各要素のバランスなのです!
いろいろ買い揃えたけど上手くいかないな―という方は、「暗くする」「CO2添加量を減らす」という手段も選択肢として頭の片隅に置いておくと良いでしょう。

続いては↑の表の赤い四角について考えてみましょう。

「CO2」「水質」「肥料」この3つの要素は特に複雑に絡み合っています。
ここで説明すると長ーくなりますので、以前書いた記事↓を読んでみてください。

肥料1
肥料2
肥料3
CO2

この記事読むの大変なので、まとめると

・pH5.5~6.5
・GH、KHは3以下
このくらいの「水質」にしておけば「CO2」と「肥料」が効率良く働くようになる。

と覚えて頂ければOKです!
ここはシンプルに↑の水質にすれば水草が元気に育つと考えていきましょう。

5つの必須要素ではありませんが
「微生物」
もとても重要な要素です。

・汚れの少ない透明感のある美しい水
を作るには微生物の働きが欠かせません。
水草の自生地の動画や画像を見ていただけると分かりますが、湧水地に水草が生えている事が多いです。(水草、自生地等で検索してみてください)
そのためなのか「清浄な水」が水草の状態に良い影響を与えます。
種類によっては富栄養化した沼や湖に生えているので一概には言えませんが、キレイな水の中でこそ水草は本調子になります。
また、有機物を分解して無機化することにより水草の肥料にしたり、硝化作用の結果、pHを下げることで↑の水質に近づける等の作用もあります。
微生物の詳しい記事は↓を読んでみてください。
微生物1
微生物2

「底床」や「ろ過」はこの赤い四角の中に入ります。
ソイルにするのか砂にするのか、どのタイプのフィルターにするのか、添加材は何を使うか等の器材選びは「CO2」「水質」「肥料」この3つに影響を与えます。
逆に言うと「CO2」「水質」「肥料」この3つに問題がある場合は、底床やろ過、添加材を工夫することで解決出来ることが多いです。
底床、ろ過については↓の記事を読んでみてください。
底床
ろ過

以上、水草水槽の成り立ちをざっくり説明するとこんな感じです。

正直、良く分からんと思います。

このあたりは実際に水槽に向き合って経験を積まないと、分からない事だらけです。
ざっと読んで頂いて頭の片隅にでも置いて、経験を積んでいくうちに「あの話はこの事か~」みたいな感覚になって頂けたら幸いです!
自転車に乗れるようになる感覚に似ているのかな?言葉の説明だけではちょっと難しいですね。

今回のお話は抽象的ですぐに役に立つものではありませんね。。
なので最後に今回のお話を利用した水草水槽の問題発掘方法をご紹介します。

水草水槽でなんらかの問題が発生した場合は↓の優先順位で取り組むとスムーズです。
5つの要素は等しく重要なので優先順位もなにも無いのですが、対処が簡単な順に並べてあります。
これが一番シンプルな考え方だと私は思っております。

1、光
2、温度
3、CO2
4、水質
5、肥料

「光」
ライトを買ってセットすれば解決することがほとんどです。
光量と点灯時間に注意しましょう。
ライトの詳しい記事は↓を読んでください。
ライト

「温度」
こちらもヒーターを買ってセットすれば解決します。
夏場の高温時はファンやクーラー、エアコンで乗り切りましょう。
温度の詳しいお話は↓を読んでください。
温度

「CO2」
基本的には高圧ボンベ式のCO2セットを買ってセットしましょう。
水質によって添加量を変える必要があることに注意してください。
添加量を増やしてもダメな場合は、水質を変える必要があります。
CO2の詳しい記事は↓を読んでください。
CO2

「水質」
CO2を適正量添加しているのに成長スピードが遅い、育たない等の問題が発生している場合は気にしてみましょう。
特に石を大量に使用している場合に問題になりやすいです。
・pH5.5~6.5・GH、KHは3以下になるようにすればOKです。

「肥料」
これは最後に当たるようにしましょう!
他の要素が原因で水草の成長が悪くなっている場合は、肥料を添加しても水草があまり利用しないor利用出来ないので余ってしまいます。
そこからコケが発生することが多いので肥料を考えるのは一番後回しで良いでしょう。

今までの経験上、「CO2」「水質」が原因になって水草が育たない!というトラブルが多いですね。
多くの方が・CO2添加量を増やす・pHを下げる・軟水化する事で状態が良くなることが多いです。
もし、水草水槽の事で悩んでいるなら今回の記事を読んで原因を探ってみてください!
よろしくお願い致します!!

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